外伝-2

・外伝-2「疾走!英国旅行記(後編)」

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グリニッジ標準時間+13:00の日本では・・裕司がゲームに没頭していた

・・しばらくは異形も出てないし、今のうちに楽しもうと。


「バーチャロンやってると時間を忘れるよね」


・・誰に話しかけてる、誰に


「そういえば・・実際にこういうロボット作っちゃう景も景だよな・・」


ゲーム画面を忙しく動き回るバーチャロイド、それを見ていると実際に存在する景のロボット、アリスが頭に浮かぶ

・・しかし・・どうも腑に落ちない点もある

いかに景が天才とて、いかに天導寺重工が大企業とて・・リニア駆動で動く5メートルの地球外合金製ロボットなんて作れるのだろうか?

・・そもそも、景がなぜそんな技術を持っているのか?


しかし裕司はそこで考えるのが面倒になり、再び相棒・テムジンと共に戦場へ向かった


・・さぁ、今日中にタングラムを使用可能にするぞ~♪

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あの翌日に当たる日・・要は日本を発ってほぼ4日になろうとしていた日


先日のロンドンからはかなり離れた郊外の広い道・・

忍、明はチェスの運転するイエローの鮮やかな車「フィアット」で戦車3台とカーチェイス(?)を繰り広げていた

・・チェスが運転できる理由については深く追求しないにしても、なぜ戦車に追われているのか?

しかもなぜ鈍重なハズの戦車がフィアットに追いつかんとしているのか?


ごぅ・・っ!!


高速で迫る戦車の主砲が放たれ、フィアットの間近に着弾する

・・至近距離なら間違いなくフィアットは紙くずのようにくしゃくしゃになっているだろう

チェスは表情を一瞬も変えず、無表情でハンドルを切り弾頭をかわす


「くっそぉぉ~・・やっぱり強行作戦は失敗だったぜっ!」

「流石に戦車相手じゃ俺の銃も通用しないよ・・(汗)」


ため息をつく忍と明、そして両者が意味の違うため息をついた直後にもう一発・・

いよいよ直撃コースに近づいてくる着弾点


「早月野さん」

「何?・・コレ、銃?」


チェスは後ろも見ずに明へ銃を手渡した

・・見たところは何の変哲もないグロック19・・・小柄ながら少々扱いにくい事で知られた銃だ


「二発しか入っていません、それで三台全部止めてください」

「わかった!」


明は喜々とした顔で威勢の良い返事をすると、そのまま屋根のルーフから身を乗り出し、後方の戦車めがけ・・ろくな狙いも付けずに放った


「ば・・バカ!狙わないで当たるワケがないだろうが!?」

「さすがですね」


忍とチェスの反応はそれぞれで、正解なのはチェスのセリフだった

・・先頭の戦車が爆発し、大爆発を起こす

何をしてそこまでの戦車を作ったかは知らないが、どうやら膨大なエネルギーが使用されていたらしい

・・戦車三台は、ただの一発の銃弾によって爆炎に包まれ・・三人はようやく「安全」という言葉を得た


・・チェスは素早くハンドルとブレーキアクションでフィアットを滑らせ、急ブレーキのようにして止まる


「・・ふぃ~・・・焦ったぜぇ・・・」

「すっごい弾丸だね・・さすが実弾っていう事もあるけどよく整備されていていい銃だし・・」


・・お前はもっと緊迫感を持て

忍は苦笑いして、心の中でつぶやいた

・・ようやくそういうツッコミが出来る余裕が出てきたということでもあるが

チェスはフィアットを降りると、赤いスーツの前のボタンを外して、懐から銃を取り出した

・・自分の相棒、少々大きめの銃「ダブルイーグル」を


「・・どうやら、戦車だけでは済まないようですよ・・」

「え・・?」


忍と明がフィアットを降りると同時に、チェスの見つめる先・・戦車の燃えている炎の中から、「鋼鉄の兵士」は姿を現わした

先ほどの戦車が大きめの15メートル大だったのに対し、「彼」は人間とほぼ同じ2メートル大

違うのは、人間でないという事と思考パターンが統一されていること

・・ただ、殺戮、破壊、殲滅、粉砕・・目につく敵とその全てを破壊するようプログラムされている事だ

この場合対象になるのはもちろん、「彼」を強奪した組織を除く「全てのもの」である

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昨日・・08:40

MI-6の本部に到着したクロード三姉妹と忍、明

途中で出勤する事になったゼオラ、シャルと別れて本部で話を聞いていた

・・本部長・・MI-6の統率者である「M」が言うには、どうやらテロリストは某軍事組織が作っていたロボットを強奪したらしい

・・それも、天導寺重工の技術を応用した、すさまじく強力な「ロボット兵」を・・


「盗まれた機体は三つ、そして同時に技術データも盗まれている事から敵は強力であると見て損はない」

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・・つまり、盗まれた技術データとは先ほどの戦車のような常識外れの兵器であり、盗まれた機体というのは今目の前にいるロボットの事だ

・・ロボット・・神話の神から名付けられた機体「オーディン」は全部で三機・・小型のものと大型のものが二機だという


「・・よかったです、大きい方じゃなくて」

「・・これは良い状況かわからんがな・・・」

「アレをやっつけなくちゃならないんだよね・・?」


忍と明もチェスの後ろから駆け寄り、両手に得物を持つ

明は先ほどのグロックに違法改造のオリジナルエアガン「ストライク・イーグル」

忍は右手にクナイ、左手にはナックルガードのようなものをつけている


「・・来ますよ」


チェスの顔が引き締まる

・・明と忍が左右に散開しながら突っ走る!

オーディンは右腕を振り上げて、マシンガンをその手に装着する


「・・得物がでかい!」

「連射速度秒速80発ってトコかな?」


マシンガンが冷徹に二人を捉えんと襲いかかる

明はストライクイーグルをフルオート連射にし、BB弾の代わりに詰めた粘着弾でその弾を撃ち落とす

・・行けるね、やっぱり80発くらいだよ・・

明は心の中でつぶやいて、今度はマシンガンの射線から逃れるようにしつつイーグルのマガジンを交換する

忍はセンサーにすら知覚されない速度・・忍者のそれそのものを活かして、一気に距離を詰める

・・真っ向から叩く!・・

しかし忍の足下にマシンガンが着弾し、彼はそれ以上進むのをやむなくあきらめる


「くっそっ!!接近戦にはもちこめそうもない!」

「チェス!フィアットに積んである「アレ」を!!」


明はイーグルを乱射しながら叫ぶ

遠距離攻撃に徹していたチェスは転身し、フィアットの後部カバーを開けると大型の「アタッシュケース」を取り出した!

そのまま流れで放り投げ、明はアタッシュを空中で開き、中から三つに折りたたまれたバズーカのような兵器を組み立てる


「バーニング・デュシエル」


・・「天空の炎」バズーカの横にはこう書かれていた


明はマシンガンの雨にさらされながらもデュシエルを構え、放った

大型兵器の音を交えたそれは周囲に業火を放ち、まさに炎となってオーディンに迫る

・・アリスと同じ地球外合金、「尺鋼」で作られたロボット兵士の胴体を貫通する弾頭

・・火花が散る・・爆発・・!


立ったまま炎に包まれ、オーディンは動きを止めた


「・・これで・・」


終わった。

確かに、オーディンは止まった

しかし、そのエネルギー源は・・!


「核やニトロほどではないですが」

「爆発したら・・どうなる?」

「少なくとも100メートルは離れた方が良いかと」


デュシエルを振りかざしながら勝ち誇っている明を引きずり、忍は急いでフィアットに連れ込む

チェスがドライバーシートに飛び乗ると、フルスロットルで走り出すフィアット


・・刹那

オーディンは前のめりに倒れ、そのまま爆炎の中に消えた

爆発の余波がフィアットを襲ったが、チェスのハンドルさばきは見事なモノで、三人は無事にその場を後にした

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・・翌日・・5日目の朝


「なぁカイト、早くやってくれよ早くー!!」

「カイトにーちゃーん!」

「うむ・・そんなに急かさなくとも逃げはしないでござるよ・・とぅっ!!


しゅたっ!と飛び上がると改都は流星牙を鋭く振るう

一回転して着地したかと思えば今度は回転切り、そして突きの動作から一刀両断の構えに移行する

・・剣を持って舞う・・改都の特技披露の一つ「剣舞」だ。

なんだかんだでまだ例の教会に泊めてもらっている改都

・・すでにもう、彼はここの生活に馴染んでいた(汗)


「すみませんね・・改都さん」

「いえ・・気にしないでくだされ、ラミア殿。」


改都は照れくさそうに微笑むと、流星牙をしまう

・・同時に、机の上に置かれたリンゴが真っ二つになる

子供達からわぁーっ!・・という歓声があがった

もう一度照れくさそうに微笑む改都(笑)


シスター・ラミアは改都を快く迎えてくれていた

改都もそれにすっかり甘え、そして・・・

本来の目的を忘れ去っていた(笑)


「さ、朝の買い出しに行ってくるでござるよ」

「市場は混み合いますから、気を付けてくださいね」


・・改都よ、ここに永住する気か?

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06:30

ロンドンの郊外に、巨大な影とそれを追って走るフィアットの姿があった

・・真っ直ぐ街を目指して走る巨大な「ロボット」と「黄色のフィアット」


前者はオーディンの一つで、後者はもちろんチェスのフィアットである


「高杉さん、何とかなりそうですか?」

『なるかっつーたら・・ダメかもしれねぇ(汗)』


忍の声はチェスの手にした携帯電話から聞こえてきた

・・彼がいるのは、オーディンの内部・・全長30メートルにはなろう、巨大なロボットの背中あたり

テロリストの拠点の一つを見つけ、潜入したはいいがオーディンが起動してしまい、忍が急いで飛びつき・・というワケだ


『俺コンピューターダメなんだよ・・チェス、お前替われ・・さもなきゃ壊す』

「壊したら爆発しますよ?・・それこそ、あの小さい方のオーディンでアレでしたから・・」

『・・・わかったよ、とっとと降りる』


すでにオーディンは市街地の一角まで入り込んでいる

忍は念のため「仕掛け」を施してフィアットに飛び移ったが、今は何の効果もない


「攻撃モードが起動したようです・・」

「何っ!?」


チェスの淡々としたつぶやきで、忍は驚きの声を上げる

オーディンは巨大なアームを振りかざして周囲の建物を破壊し始める


「ちくしょう!!」

「チェス、あのグロックと弾はない?」

「ありますが・・今アレを撃破したら、間違いなくロンドンは都市機能を失うでしょう」

「EMP(電磁波っぽいモノ)じゃだめか?」

「・・まぁ、機能停止したら自爆はお約束でしょう?」

「万事休すか・・!!」

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・・そのとき

教会の子供2人と買い出しに来ていた改都は、巨大なその影を目にした


「・・何でござろうな・・・?」

「怖いよ~・・カイト兄ちゃん~」

「街が・・・・燃えている?」


改都は走り出していた

・・流星牙を携え、手にしていた荷物を子供に託すと、走っている車の上に飛び乗った


「な・・なんだっ!?」

「すまぬが、あの方向へ向かってもらえぬか?」


ドライバーは数秒躊躇したが、改都の手に持っているそれを見て押し黙り、巨大な影の暴れる方向へ向かった

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06:35


改都を屋根の上に乗せた車は巨大な影・・オーディンの横を通過していた


「ここまで運んでいただき、かたじけない!」


改都はそう言うと流星牙をバランサーのようにして、大きく跳んだ

屋根を蹴った衝撃で車はしばらく蛇行したが、すぐに立て直すと一目散に逃げ去った

空中をすっ・・と移動しながら、改都は手にした得物を引き抜く

鉄機斬流派が奥義・・牙王疾風斬!


「ちぇぇぇぇいやぁぁぁぁぁっっ!!!」


事情も何も全く知らない改都

・・もちろん、ヘタをすれば大爆発し、ロンドンの全てが吹き飛んでしまう

3メートルの大刀・流星牙は敵を真っ二つにし・・・

寸断されたオーディンはその場に崩れていった


「・・悪の栄えた試しなし!」


改都は誰に聞かせるでもなく叫び・・流星牙を鞘に収めた

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「な・・なんて事をっ!!」


俺は当たり前のツッコミを入れていた

・・突然敵が真っ二つになるワケがない、改都のヤツだ、間違いなく!


「・・ヘンですね・・爆発する気配がありませんが・・?」

「そういや、そうだね?」

「不発なんじゃねーのか・・」


・・不思議に思いながら、俺たちのフィアットは改都とオーディンの元へ向かった


「おお、忍どの!明どの!フランチェスカどの~!!!!!」

「・・「どのぉ~!!」じゃねーだろぉがこンの大バカ侍ッッ!!!」



久しぶりにハリセンを振るう俺。

・・っていうかさ、日本なら裕司とか景に突っ込むんでよく使うが・・こっちじゃ勝手が違うからな(汗)


「な・・何をするでござるかぁ・・(泣)」

「お前なぁ、こいつはヘタすりゃロンドンを吹っ飛ばすようなとんでもない兵器だったんだぞ!?」

「・・はて、「ろんどん?」・・・・新手の丼モノでござるか?」

「俺らが今いるこの街だ」


そういや日本地図もわからないようなヤツだったな、こいつ。

いつも雫が一緒だから無事に家まで帰れるようなモンだからなぁ・・


「なるほど・・改都さんは信管を切り裂いた、というワケですか」


チェスが一人納得した

説明されてもわからなかったので、とりあえず短縮して記すと・・「自爆装置を切り裂いた」という事らしい

しかもエンジンは全く無傷で、まず奇跡的な太刀筋だったらしい


・・とりあえず止まったし、爆発はしないし、安全らしいから・・それでいいか、とまとめることになった

「これであと一つか・・・」

「いえ、二つも片づければ後は大丈夫ですから」


チェスはそう言ってフィアットに戻った


「さぁ、MI-6へ一度帰還しましょう」

俺はチェスの言った事が気になったが、とりあえずこの場を去る事にした

留まっていた所で面白い事などないだろうから・・・


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PM 19:05


かくして、最後の一機はチェスの「先輩」が片づけたらしく、俺たちはクロード邸に戻っていた

ゼオラさんとシャルも戻り、労をねぎらってのちょっとしたパーティーのようになった


「やはりみなさんに頼んで正解でしたね」

「・・特にデカイヤツを倒す時は、こいつがいなければどうなった事か・・」


俺はイヤミも含めて改都の頭をぽん、と叩いた


「は?・・私でござるか?」


・・お前な(汗)


「・・・は、いいんだがなぁ・・・なんか俺って何もしてないような気がする・・」


・・本音だ、なんか俺って「先に潜入調査」とかはやったけど・・オーディンと戦う時なんか何もしてなかった・・(汗)


「そんな事ありませんよ、高杉さんだって・・・」


・・チェスの口が止まった

・・明らかに、頭の中で何かを探している。


「・・無理に手柄を探すな、チェスよ」

「すみません」


にこっ・・と笑ってごまかすチェス

・・ちくしょう(笑)

思いっきり苦笑いしながら、俺は手元にあったオレンジジュースのグラスを傾ける


・・・ま、いっか


「とりあえず今日はパーっとやりましょうよ、ね?」


ゼオラさんがそう言ってクラッカーを鳴らした


・・それから、俺たちはホントにパーっと時間を過ごした(笑)

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6日目・・

ロンドン滞在の、最終日の日。

空港まで送ってくれたゼオラさんとシャルと一緒に、俺とチェス、明は遅れてくる改都を待っていた


待つこと数分、改都のヤツは一人の女性を伴ってバスから降りてきた

・・思わず俺は座っていた椅子から崩れ落ちた


「この方が私を泊めて下さったラミア殿でござるよ」

「教会の方ですか」


クロード三姉妹が礼をするように挨拶する・・・とりあえず、俺と明も。

にっこり笑うシスター・ラミア


「よかったですねカイトさん、皆さんと会えて」

「・・・本当にお世話になってしまったでござるよ・・(泣)」


改都は言葉の最後に泣き出していた

別れが悲しいのか、それとも道に迷っていた自分が情けなくなってきたのか・・

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結局・・

改都はラミアさんのメアドもらって来ていた(・・教会とはいえパソコンなんてあったんだ(汗)

明はちゃっかり例のグロック19を持ってきて・・

そしてチェスはゼオラさんから「熊のぬいぐるみ」をもらっていた


「MI-6の秘密兵器、ってヤツか?」

「いえ・・コレは「私が好きなモノ」なんですよ♪」


ぬいぐるみを抱きしめ、チェスが初めて無邪気な笑いを見せた

いつもの誤魔化すような微笑みとは違う、年相応の「女の子らしい表情」というのか・・?

・・そうか、こいつもそういう笑い方が出来るんだな


「・・あ、失礼しました」


きっぱり行動を取りやめ、縫いぐるみをしまうとチェスはいつもの淡々とした顔に戻る

・・お前ってヤツは・・・

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・・後日・・

忍たちはまた、日本の、普通の日常に戻った

イギリスで駆け回った事は「M」から口止めされていたが・・(汗)


「三機目のオーディンはどうなったんだ?」

「ええ、先輩が人工知能を破壊して停止させました。今はMI-6の本部で管理しているそうですが」

「ふぅん・・」

「高杉さん、本当にありがとうございました。」

「?・・ンだよ、改まって」

「また、今度は皆さんをトーマス記念館にでもご招待しますよ。」

「・・・・・・」


忍は微妙な歓迎に困ってしまった

ま・・次にイギリスに行く時は、是非観光で行きたいモンだな・・とは思うが


そして、忍はぬいぐるみを小脇に抱えて歩いていくチェスを見送った


・・そういえば、空港でゼオラさん達が持ってたクマの風船はもしかして・・


誰への意図か、今更のように理解するのだった。

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